②組織崩壊を防ぐ!現場発想のマネジメント革命: 事業成果を最大化せよ

そもそも、人事・組織施策は、「事業や顧客に向き合う時間を最大化するもの」でなければなりません。マネジメントがうまく機能しないと、管理者の活動割合が、組織課題・退職者の補填採用や、退職引き留め面談に時間が使われます。事業に集中できる時間がなくなってきています。「事業に向かう時間」はどこへ行ったのでしょうか?
社員を守る
人事・組織施策によって、「むしろ組織課題に悩む時間が増えてしまう事態」は本末転倒です。利益を生み出し続けないと、社員は守れません。社員を守りたいなら、利益を生み続けなければなりません。
「マネジメントの意義」は、事業と組織の矛盾を解消することです。栄養素と同じでバランス良く導入することが重要です。「一神教」になるのではなく、「適切な時に適切な引出し」をマネージャーが出せる状態にすることが求められます。
マネジメントポイント
ポイント1
「〇〇流」「〇〇Way」に染まらないこと
「自社の暗黙知の言語化による、生存者バイアスの再強化」は危険なマネジメントです。どういうことかというと、内部のエース人材や、人事主導で「マネジメント原則」などを言語化した結果、むしろ「生存者バイアス」が加速します。「自社の方法論こそ至高である」「過去こうやってきた」、盲目的な自己愛が加速すると、「言語化の罠」にはまってしまいます。過剰な自社愛・自己愛・成功者スタンスは柔軟性を失わせ、自己更新がおろそかになります。
ポイント2
実践的な手法まで整備すること
「結局、コミュニケーションや傾聴が大事だよね」という、実践性の極めて低いメッセージを渡されるだけでは、現場は変わりません。こういう理論があります!といって、「心理的安全性」「コーチング」「1ON1」など、最新のトピックの研修を持ち出してきたところで、管理者や現場の印象は、「こんな抽象的なことを言われても、混乱するだけだよ。一体この研修は何だったんだ・・・」となります。流行のコンセプトを持ってくれば、研修会社が儲かるだけであり、「事業成長と組織成長の矛盾に向き合うもの」でなければ、結局は使い物になりません。
そんな中で、コーチングや心理的安全性が独り歩きを始めます。ただ、脈絡もなく始めてしまうことです。特に、これら2大巨頭が注目されていますが、「手段が目的化」した状態で使われている可能性が高くなります。
正しくは、心理的な柔軟性をもって、自分たちの手法が正しいかをフラットに見つめることが重要です。様々な理論を元に、「自社らしいマネジメントの型」を構築し、その後、組織学習に応じて、どんどん更新していくことが求められます。柔軟性を失わずに、自己更新を行っていくことが大切です。変えるべき点と変えない点を見極めたうえで、「自社らしさ」を捨てずに、組織基盤を強化していくことが重要です。
ポイント3
理論のメリット・デメリットの理解
「心理的安全性」「コーチング」「1ON1」など、各理論の明るい側面と暗い側面を両方理解しておくことです。
心理的安全性とは
心理的安全性(Psychological Safety)は、個人が職場やチーム内で自由に意見を述べたり、質問をしたり、ミスを認めたりすることができる環境を指します。
人は誰しも完全ではなく、また過去の栄光も完全ではありません。全員の意見がフラットであり、お互いに補完しあえる環境こそが、心理的な安全性を築きます。
この概念は、ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授によって提唱されました。
「心理的安全性」メリット
創造性とイノベーションの向上: メンバーが自由に意見を出し合える環境が整うため、新しいアイデアや解決策が生まれやすくなります。
チームのパフォーマンス向上: メンバーが安心して意見を述べられることで、コミュニケーションが円滑になり、チーム全体の効率が上がります。
ストレスの軽減: 心理的に安全な環境では、メンバーがストレスを感じにくくなり、精神的な健康が保たれます。
「心理的安全性」デメリット
過度なコンフォートゾーン: 心理的に安全すぎる環境が逆に挑戦を避ける原因となり、成長や進歩が停滞する可能性があります。心理的安全性という概念を盾にして、上司は部下に指導しにくくなり、部下は上司の指示を盾を持って回避しようとします。
意見の衝突: 自由に意見を述べることが奨励されるため、意見の対立が増えることもあり、適切に管理しないとチーム内の摩擦が生じることがあります。
コーチングとは
コーチングは、個人やチームが目標を達成するために、コーチが質問やフィードバックを通じてサポートするプロセスです。コーチは答えを提供するのではなく、クライアントが自ら答えを見つける手助けをします。
コーチングのメリット
自己認識の向上: クライアントが自分の強みや弱みを理解しやすくなります。
目標達成の支援: 明確な目標設定とその達成に向けた具体的な行動計画が立てられます。
モチベーションの向上: コーチのサポートにより、クライアントのやる気が高まります。
コーチングのデメリット
時間とコスト: 効果的なコーチングには時間と費用がかかることがあります。
依存のリスク: クライアントがコーチに依存しすぎると、自立性が損なわれる可能性があります。
成果の不確実性: コーチングの効果は個人差があり、必ずしも全ての人に効果があるわけではありません。
1on1面談とは
1on1面談(ワンオンワン面談)とは、上司と部下が定期的に一対一で行う面談のことを指します。この面談の目的は、部下の業務状況や課題、キャリアの目標、個人的な悩みなどを共有し、上司がサポートやフィードバックを提供することです。
1on1面談メリット
個別のフィードバック: 社員一人ひとりに対して具体的なフィードバックを提供できる。
コミュニケーションの強化: 上司と部下の信頼関係が深まり、オープンなコミュニケーションが促進される。
問題の早期発見: 社員の悩みや問題を早期に把握し、迅速に対応できる。
キャリア開発: 社員のキャリア目標や成長の方向性を明確にし、サポートできる。
1on1面談デメリット
時間の消費: 定期的な面談は時間がかかり、他の業務に影響を与える可能性がある。
準備の必要: 効果的な面談を行うためには、事前の準備が必要であり、上司の負担が増える。
不適切なフィードバック: 上司が適切なフィードバックを提供できない場合、逆効果になることがある。
心理的負担: 面談がプレッシャーとなり、社員がストレスを感じることがある。
まとめとして
マネジメントの意義として、本来検討すべきは、
1 出したい組織成果・事業成果
2 組織成果の阻害要因の特定
3 阻害要因の解決アプローチの選定
4 解決策の実行・・・コーチングや心理的安全性・1ON1などは、このフェーズです。
1・2・3の検討が無いことが問題です!
マネジメントは「現場」で起きているのに、「現場と遊離した思想・手法」が生まれていくことは、とても危険です。
